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京都花街の経営学

このお正月はものすごい勢いで本を読みまくっていて

「読み終わった本をまとめないと...」

という変な緊張感を感じながらも、どの本についてまとめようかと思っていたのですが、今年一発目は、ちょっとお正月っぽい雰囲気も意識しつつ京都花街の経営学からいこうかと思います

舞妓さんで有名な、京都花街という舞台の独自性をビジネス視点で説明している著者の視点が中々興味深く、本書のポイントとしては

1.一見さんお断りでも成り立つビジネスモデル
2.共存共栄

かなぁと思います。

■なぜ一見さんでも成り立つのか?

一見さんお断りというのは、それなりの理由があるようで、舞妓さんたちの芸自体をきちんと評価できるくらい、お客さん自身も目の肥えた人であり、そういうお客さんからの紹介で来る人もそれなりに信頼の出来る人ということが担保されていて、そういうお客さんに対して行う芸も、そのお客さんの目に叶う芸を提供することで、それ相応の料金を請求してもお客さんとしては満足できるという図式になるようです。

(ちなみにどんな著名人であったとしても、一見さんに対しては、やんわりとお断りするそうです)

このようにして、プレミアムとなる客層をキープしつつも、それにあぐらをかくことなく、京都花街というある種のブランドイメージから極端に乖離しないようなものも序所に取り入れているそうです。

その部分については、京都花街の運営が中央集権的ではなく、中小企業的な人の集まりに近いため、各自が京都花街とはどのようなものなのかという”空気”を読みつつ独自の営業を行い、それが成功すれば、他者もその成功を見習って取り入れていき、それが地域全体に浸透するというのが代々行われているそうで、今では舞妓さんの募集のためにインターネットを活用したり、舞妓さんがブログを書いたりということも行われるようになったそうです。

伝統という言葉の響きからすると、閉鎖的というイメージがあったのですが、そんな自分の単純な発想をあっさりと打ち崩してくれる、”したたかさ” を地域として持っているからこそ、伝統を築いてきているのでしょうね。

■共存共栄

京都には代表的な5つの花街というのがあるそうで、それぞれはある意味ライバルで、さらにその花街にあるお茶屋(お座敷の全てを手配するプロデューサー的な職業)さんや、置屋さん(舞妓さんが所属するタレント事務所的な所)それぞれもライバルとなるそうです。

自分たちの特色をきちんと把握していて、その地域の中での”ポジション”をしっかりと自覚をしつつ、京都花街としての地域全体を良くするにはという視点を持ってビジネスをしているように感じました。

これと全く同じ図式が、MLB かなぁと思います。

というのも、MLBも球団同士はライバルではあるが、球団のある地域だけを考えず、MLBというマーケットを広げるために、北米地域、中南米、さらにはアジアというように視野を広げることをMLBとして取り組んでいるからです。

共存共栄 という観点では京都花街もMLBも同じような戦略なのかなぁと思いました。(MLBのことについては、サッカーで燃える国 野球で儲ける国―スポーツ文化の経済史を読むといいかも)

■この本はどんな人にオススメ?
人材育成というのは、どの分野でもかなり難しいと思うのですが、舞妓さんとして1人前に成長するまでに、本人のやる気はもちろん、周囲の環境や、その後の舞妓さんのキャリアパスなども含めて見ると、また違った視点での人材育成の本としてヒントになるように思えるので、人事系の人や人材ビジネスに関わっている自分のような人間にはオススメかも。

あとは、単純に京都の花街という舞台裏がどうなっているのかをちょっと知ってみたいというか雑学を仕入れたい人にもなかなか興味深いかもね。

京都花街の経営学
京都花街の経営学
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西尾 久美子
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by h5y1m141 | 2008-01-04 23:45 | 読書メモ

そうだ、葉っぱを売ろう!

山に生えている落ち葉を拾ってきて、それを市場を通じて高級料亭やお寿司やさんなどに販売するというユニークな取り組みをされている徳島県の上勝町という所のお話は、テレビ等で何度か取材されて取り上げられているので、知っている人はいるんじゃないかと思います。

ただ、なんで落ち葉を売るというビジネスに至ったのかという過程や、それを取り巻く人達がどのような方なのかというすこし突っ込んだ部分についてちょっと興味があったので、そうだ、葉っぱを売ろう! をやっとこの前図書館で借りられたので、速攻で読み終えました。

この話の舞台の徳島県で、1981年の2月に、当時の主要作物であった、みかんの木の樹液が出始めた頃に記録的な大寒波がやってきて、最低気温マイナス12度(平年は2月の最低気温は1.6度)という状況の中で、運悪くみかんの木は凍り付き、結果枯死しまうという危機的な状況に陥ったために、みかんの代替作物を緊急に必要になったということのようでした。

ただ、この時すぐに、葉っぱを売るということに至ったわけではなく、まず最初にワケギやほうれん草といったものから手をつけて、その後は、季節にそれほど影響をうけない椎茸栽培も始めていき、なんとか収入は安定していったそうです。

とはいえ、この椎茸栽培にもちょっとした問題(栽培に必要な原木が重く、どうしても栽培に関われる人は若い人に限られるという状況)を抱えていたのですが、それ以上に著者の方がこの町に来てからずっと問題だと思っていたことがあって、以前から町の人達は暇を持て余していて、ひどい時には朝から酒を飲んで、世間に対する不平、不満を延々とお互い話し合っているという状況をなんとか打破せねばという強い気持ちをずっと持ちつづけていたそうです。

そうそう、話が前後しますが、著者の方は、上勝町の出身ではなく、大学卒業後、農協の営農指導員という立場で町に赴任することになったので、町の人からしてみれば、余所者になります。

で、話を戻すと、外部から来た人間ではあるが、この町の状況を打破するには、そもそも暇を持て余している状況がいけないと感じ、お年寄りでも出来るよな仕事がないかとずっと考えていたそうで、そんな時に、たまたま出張先で立ち寄った寿司やさんで、女性のお客さんが出てきた料理に添えてあった赤いモミジの葉っぱを見て、

「かわいいー」

と発した一言がきっかけで、葉っぱを売ろう!と思いつき、そのお店のご主人に
「こ、この葉っぱは、どこから仕入れるんですか」
「葉っぱ?ああ、こういうつまものは、料理人が山へ行って、採ってくるんですよ」
(P.53より)
ということで、料理人がわざわざ山に行って採りにいっている状況で、市場にも卸しているところは、まだどこにもないということがわかって、葉っぱを売ることを決意したそうです。

とはいえ、まだどこの市場でも扱っていないものである以上に、実際に料理人がどのような葉っぱを欲しいのかという情報は、料理人に聞いてもそう簡単には教えてくれるものではないらしく、著者の方は自腹で毎月のように高級料亭にお客さんとして通って、その熱意が伝わったのか、料亭の調理場にも案内されるようになり、そこからどのようなものが求められているのかをだんだんと知るようになったそうです。

ちょっとした事情で一時期、この町の仕事を辞めることを決意する事件があったのですが、
「色々と事じょうもあると思いますが、上勝町から離れられら暗やみです。無理はわかっています」
「やめないでください」
「考えなをしてください」
「どうぞお願いします」
(P.117より一部抜粋)
という葉っぱを売るという商売に関わっていた町の人177人からの嘆願書を受け取り、著書の方も
これほどまでに気持ちをこめた言葉をかけてもらい、それまでの人生では感じたことがなかったほどのありがたさと感動で言葉を失い、その場に立ちつくし続けた。
(P117-118より)
ということで、周囲の気持ちに加えて、ちょっとした事情も町長さんをはじめとした周りの人の助けもあり解決するのですが、このようなソフトの部分が備わっていて、はじめて、”システム”と”商品”がきちんと売り物として通用するが、このソフトの部分はすぐに手に入るようなものではないのかと思います。

本書の最初の方に書かれていた内容を少し引用すると
「彩」事業を、”システム”と、葉っぱを”商品”とだけ見ていては、このビジネスの勘どころは押さえられないとも言える。同じ”システム”と”商品”をそろえて始めただけでは、成り立つものではないからだ。
(P.4より)
とあるのですが、本書を読み終えてたしかに、この言葉の意味する所はその通りなのと、著者の方がいう勘どころは、著者自身の人間力がかなり大きな比重をしめているように思うし、特に上記の嘆願書の件りのあたりは、著者の人間性に惹かれた人達の温かさみたいなものが感じられ、正直泣いてしまいました。

こういう人が世の中にいるというのを知れて、ちょっと勇気づけられるし、ニューズウィーク日本版の「世界を変える社会起業家100人」に選ばれているそうですが、たしかにそれは納得かも。
そうだ、葉っぱを売ろう! 過疎の町、どん底からの再生
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5 30年以上に渡って過疎の町を再生させることに奮闘した物語
5 人の絆 〜 ひたむきな現場主義
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by h5y1m141 | 2007-11-29 21:15 | 読書メモ

ダブルキャリア

ちょっと前に読んだ、シャドーワーク―知識創造を促す組織戦略のような、内職的に取り組む仕事というか、自分自身の研究テーマみたいな活動というのはこれから働く上で結構大切かなぁと思っていて、これとちょっと関連がありそうな本をこの前みつけたので、ダブルキャリア―新しい生き方の提案 というのを読みました。

本業とは別の、副業をもう1つのキャリアと捉え、「ダブルキャリア」として追求するという趣旨の事が書かれているのですが、日本の会社には副業規定があったりして、副業を実践するのは難しいという実情はあるかもしれませんが、この本での副業の定義は、小遣い稼ぎとしての副業ではなく

1.転職、起業を考える人が新しい仕事を試す手段として別のキャリアを追求する
2.現在の仕事にもよい影響を与えることができる相乗効果が期待できるキャリアを追求できる
3.今の仕事で磨いた能力を別の世界で活かすキャリアを追求する

という区分でダブルキャリアを捉えています。

1.の例として外資系メーカーの法務部に勤務する傍ら、元々ウィンドサーフィンが好きで英語力もある能力を活かして、ウィンドサーフィンに関連する情報やDVD販売などをWeb上で手がけているそうです。海中心の生活を送りたい気持ちを抱えつつ、一方で今の生活水準も維持したいという気持ちの間で揺れ動いているそうで、個人的にはこの人の気持ちにはかなり共感できる所がありました。(それ以外にもOLしながらポルトガル語の能力を活かして刑事通訳の仕事をする人の例とかも出ていて、この人のキャリアも面白いですよ)

2.の例はアパレル会社でプレスの仕事をしてる人が週末は趣味のDJであちこちのイベントに駆り出され、音楽業界からはイベントで使う服を借りたいとかクラブでファッションショーが出来ないかと相談されて、本業の方ではファッションショーで使う音楽を腕のいいDJに頼みたいという相談が来るそうで、これなんか理想的な相乗効果のキャリア追求ですね。
それ以外にも区議会議員にしてサラリーマン(しかもこの人、うちのグループ会社の人だった)

3.の例としてIBMビジネスコンサルティングで、本業では、大手企業を相手に複数のコンサルタントが連携しないと取り組めないようなフィールドで活躍しつつも、1人でもできるような領域でのコンサルティング業務を別にやっている方の例(ちなみにこの人は本業のIBMでのコンサルティングは事業主契約になっているそうです)

これらダブルキャリアの考えが何故、今でてきたのかという考察もされており、
副業禁止は肉体労働、ものづくり社会の発想です。人材を逃げないように囲い込もうという時代遅れの考えです。今はソフトや情報の時代です。ものづくりはゼロサムの世界で、他の仕事でエネルギーをとられたら損ですが、情報やソフトの世界はプラスサムの世界。成果を上げることがまた次の成果につながっていくんです。(P.164より)
と外向きサラリーマンのすすめの著者でもある太田さんが語られていますが、今の時代の仕事の性質を考えると、ダブルキャリアの考えは時代に合ってきているようにも思えるのと、人間の寿命が長くなって働く期間が長くなった一方で、会社の存続期間が必ずしも一生続くものでもなくなり、一生会社に面倒を見てもらえる時代ではなくなったというような点もあるようですが、それ以上に
仕事と遊びの区別が非常に曖昧になったことだ。労働が苦役でなくなったのだ。(P.84より)
という部分には、共感できるし、
終身雇用が幻想となった今、キャリアの複線化の準備をすることは非常に重要なことです。
〜中略〜
自分を最大限高めようと努力してみることです。どんな仕事についていても「人間力」を高めた人材は会社のほうから求めてきます。(P.140より)
ということも書かれていましたが、リスクヘッジのためにもダブルキャリアを追求しておいたほうが良いのかなぁと思い、それが結果的には
ダブルキャリアの目的は、「職業人生における自己実現のため」と言いかえることもできる。
〜中略〜
自己実現という言葉がしっくりこないのであれば、「いい顔をして生きること」と言い替えてもいい。(P.190)
になるのでしょうね。

このブログの紹介文で、ITと人材という2つの軸を書いているように、今まではITという軸が1つだけだったけど、今は人材というのが軸として確立しつつあるので、将来的には別にどっちが主で副でという区分けをする事なく働ければと思っていたりするので、刺激を受けた本でした。

おまけ:
リクルートエージェント出身の方が副業を斡旋する文字通り「ダブルキャリア」という会社を興しているそうで、ダブルキャリアを考えている人は一度チェックしてみては?
ダブルキャリア―新しい生き方の提案 (生活人新書 227)
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5 ダブルキャリアで築くオンリーワンブランド

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by h5y1m141 | 2007-11-18 19:47

テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか

今週の連休中に2冊ほど本を読み終えて、うち1冊は以前から読みたかったテレビはインターネットがなぜ嫌いなのかを読み終えました。

インターネットの台頭で、テレビはもうダメなのかなぁと個人的に感じている所もあったのですが、実際の所はどうなのという疑問について、この本はある程度参考になるように思います。

本書でのテレビという定義は、民放のテレビ局という位置づけになっており、その民放のテレビ局を中心にすえつつ以下のような構図について、丁寧に書かれています。

vs インターネット関連企業
優良なコンテンツを確保したいインターネット関連企業に対して、系列を通じてとっても儲かる仕組み(*1)があるのに、著作権処理などのわずらわしい作業をしてまでわざわざ儲かる可能性の低いインターネット関連企業にコンテンツを提供する意味が見いだせない民放

vs 通信業界
客寄せパンダ的に地上波のコンテンツを使って、それをベースにMTVやCNNなどの有料チャンネルにも契約してもらいたい通信業界と、有料チャンネルのようなものが普及することで、地上波コンテンツ自体の視聴率が下がることで、自分たちのビジネスの根底となっている視聴率の価値が下がることを危惧する民放

vs NHK
従来のような新規契約の伸びが期待できず新しい次のメディアに打って出たいNHKに対して、NHKの事業規模が大きくなりすぎて、共存関係が崩れることを危惧する民放

vs 制作会社
自分たちが作ったコンテンツをもっと様々なメディアを通じてビジネスチャンスを拡大したいと考える制作会社に対して、利権にからむところをきっちりと抑えておきテレビ局としての力をきちんと見せつけることで、アメリカで起こったようなこと(*2)にならないように考えている民放

民放テレビ局としては、今まで自分たちで作り上げてきたビジネスモデルがあって、それがあるからこそ、今のような大規模なメディア産業として成長できたのかと思うのですが、上記のようないくつかの対立軸がでてきたことで、そのビジネスモデルにちょっとした変化が生じてきて、それがそれぞれの対立軸で見かけられるようになったのかと思い、これが

「テレビってもうダメなんじゃないの」

という要因になっているようにも感じました。

最後の締めくくりという感じで
政府の打ち出した政策をよく読むと、テレビ用に割り当てられた電波が余ったら、通信サービスに使っていいと書いてある。
〜中略〜
テレビ局は結構たくさん電波を割り当てられているので、使いようによっては、ものすごい収入が得られるようになります。通信と放送の融合は、テレビ局にとって、むちゃくちゃおいしいんです。(P.199より)
という記述があったのですが、実際の所、テレビがダメになるかどうかは、郵政省出身の中村伊知哉さんという方の提言にもあったのですが、すべてはテレビ局がこういうことに気づいて、次の手を打てるかどうかというのにかかっているみたいですね。

(*1)キー局は、全国向けに認知度をアップしたいと考えている大手企業からスポットCMというものを提供して、その見返りに莫大なスポンサー料をもらって潤沢な制作費が得られてつくったコンテンツは地方局を通じて放送されて、その後過去に放送したコンテンツについても、地方局に比較的安く売ることで、細作費をじっくりと回収していく。
地方局も最初にコンテンツを流す時点でキー局から「電波料」という名義で番組を流した対価としてかなりの収入があるそうなのと、昔に放映したコンテンツについても、自分たちで新しく番組制作する費用を考えると、キー局から提供されるコンテンツの方が安いということもあるのでそれに乗っかっていた方が楽なこともあってこういう図式が成り立つ

(*2)アメリカの場合に制作会社に相当するのがハリウッドのようで、そこでは制作した番組をテレビ放送後に、海外に輸出したりDVD化したりなどという多様なチャネルを活用して莫大な収入を得て規模が大きくなり、結果として1990年代に入ってディズニーがABCを買収したように制作会社の方が優位になる状況になった。
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by h5y1m141 | 2007-10-08 11:16

貸し自習室

a0033832_2135530.jpg最近イラン 世界の火薬庫という本を読んでいるのですが、基礎知識がまだまだ足りず新書なのに読むのに苦労していてまとめすら出来ない状況なので、ちょっと今日気になったことがあったので、それについてちょっとだけまとめを。

帰りがけに代々木の駅に止まっていた車を何気なく見たら、貸し自習室スペース・ウィンという予備校生向けに、自習用の部屋を時間貸しするサービスの広告でした。

自分も浪人の経験があるのですが、その当時は予備校通っていた場所が代々木じゃなかったからか、こういうサービスがあること自体全く知らなかったけど、たしかにこういうサービスは特定の地域ではそれなりのニーズがありそうだから成り立つのでしょうかね。

自習室じゃないけど、最近皇居周辺を走るランナーが増えていて、着替え&走った後に汗を流すという目的で周辺の銭湯が流行っているというのをニュースで見たけどこれなんかも特定の地域でそれなりのニーズを満たしているサービスだろうし、そう考えるとこういったニッチなビジネスというのは探すと他にもありそうな気がしますね。
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by h5y1m141 | 2007-06-15 21:45 | 仕事ネタ

ロングテール—「売れない商品」を宝の山に変える新戦略

今さらロングテールの言葉の説明はいらないかなぁと思う位、すでに知れ渡りつつある言葉だと思いますが、著者の方はこのロングテールの言葉を世に知らしめたワイアード誌の編集長でそのかたによる色々な所でロングテールが見かけられるというようなことが書かれていました。

なるほどなぁと思ったのが
- ロングテール的なビジネスにおいてのコストを極力ゼロに近づける工夫としてのamazonの事例
- ポストテレビ時代の映像
という2つ。

まずコストの方ですが、ロングテール的な考えではコストを限りなくゼロに近づけないと、テールの部分で売り上げがあっても利益は出づらいから、amazonの場合、その商品保管のためのコストってどうなのかなぁって思っていたけど、本書で興味深いことが書かれており
アマゾンの出した結論はオンデマンド印刷だった。本はデジタル・ファイルという理想的な形で保管され、注文が来るとレーザープリンタで印刷されて普通のペーパーバックになる。売れる時になってはじめてデジタル・ファイルが物質に変換されるため、コストは販売数と完璧に連動する。
(P.121から122より)
ということで、テールの部分に該当しそうなニッチな本についてはオンデマンド印刷を利用するそうで、さらに
アマゾンは同じことをなんと映画でもおこなった。DVDのオンデマンド制作を手がけるカスタムフリックスを買収したのである。いまやアマゾンはスペースをとらずコストもかからない在庫を持つ可能性がある。
(P.122より)
ということで本に限らずDVDでもオンデマンドで処理をさせているそうです。

これらのことは、日本でも行われているかどうかはわからないですが、いづれにしても、こういった取り組みをしたり、これ以外にもトイザラスのような企業と提携して、在庫は自分達で持たず商品を売るスペースだけを提供したりして、自分達の在庫にかかるコストをゼロにしつつ、テールを伸ばす工夫をしているのですね。

でもう1つの方ですが、これは12章の無数のスクリーン - ポスト・テレビ時代の映像はどうなるというところで触れられていて
30分という時間枠はテレビの国の新聞のようあんものじゃなかろうか。狭い流通が生んだこのような形式は、もう衰退していく。利便性と娯楽の面では短いコンテンツが求められ、奥深さと満足度の面では長いコンテンツが求められるようになる。誰かが勝手に決めた中間の長さはもうおしまいだ。(P.254より)
とあったけど、これを読んですぐに思いついたのが、日本のプロ野球の巨人の地上波の放送のやり方。

巨人の試合をTVで見たい人からすると、試合の途中から放送が始まり、しかも最後まで放映しないから満足いくものではないだろうし、一方で、巨人の試合に全く興味がない人からするとその時間帯で放映していた通常の番組が放映されないことで、不満に感じるから、視聴者側の視点で見た場合に、誰にとっても中途半端な感じで満足の行く者ではないのではないかと。

スカパーやインターネット中継などをつかって中継しているやり方は上記引用の「奥深さと満足度の面」を満たす部類に入るのかなぁと思い、そういう場合には長いコンテンツでも受け入れられるのだろうから、そういった考えをうまく取り入れてみてもよいのかもしれませんね。
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by h5y1m141 | 2007-06-05 20:26 | 読書メモ

セブン-イレブンおでん部会

タイトルに引かれてセブン-イレブンおでん部会―ヒット商品開発の裏側借りたのですが、セブンイレブンで売られているお弁当、デザートなど各種食品の開発の舞台裏について取材をもとにして書かれている内容で、結構トリビアっぽいような感じの内容が多くって息抜きに読むにはちょうどよかったかも。

本書で取り上げられていた商品はおにぎり、メロンパン、めん、デザート...とありますが、やっぱりここはタイトルになっているおでんの部分についてちょっと簡単にまとめておこうかと。

コンビニでおでんを買うのは、近所にコンビニがあまりないので、最近は買わなくなったけどコンビニのおでんのつゆってうまいなぁーっておもっていたけど、どうもあのつゆはかなり企業秘密な所があるそうです。

また地域毎にそのつゆの味も違うそうで、2006年からは全国を北海道、東北・信越、関東、東海、関西・中国、九州の6つのエリアにわけて、それぞれつゆの味も

北海道:「かつお・利尻昆布・いわし節」
東北・「信越:かつお・利尻昆布・煮干・宗田節」
関東:「かつお・利尻昆布」
東海:「かつお・利尻昆布・むろ節」
関西・「中国:かつお・真昆布・牛だし」
九州:「かつお・利尻昆布・鶏がら」

だそうですが、
セブンのHPにアクセスして商品のご案内、おでんのページ「こだわりのブレンド」欄をご覧いただきたい。日本地図の横にあったはずの「 」部分が記載されていないのだ。おそらく味を決める”節”の種類を表に出す事は企業秘密だからと、慎重になり、知らぬ間に要点を削除したのに違いない。(P.91より)
ということで、つゆ作りに関しては、かなり企業秘密の塊みたいです。

あと各店舗には、おでんマニュアルがあるそうで、味を出すおでん種(ちくわやさつま揚げ)や味を吸うおでん種(大根やたまご)のバランスに気をつけようとか、つゆが1時間で約700cc蒸発するから気をつけよう、具材の乾燥を防ぐために、つゆを上からまめにかけよう...といったようなことが、仕込み方法から販売方法まで書かれているそうです(どうでもいいけど、マニュアルのイラストが結構かわいい)

極めつけは、この本のタイトルのおでん部会で、セブンイレブンだけの新しいおでんを作るために、メーカーの方が毎週ミーティングをするおでん部会があるそうで、
部会と一口に言っても「つゆ」「大根」「たまご」「水物(こんにゃく・白滝」「畜肉」「練り物」「きんちゃく」「海産物」「とうふ」の9つもの分科会が存在するマニアックな集まりだ(P.101より)
と本当、かなりマニアックだなぁーという感じ。実際つゆ部会に著者の方が参加されたそうですが、どうすればしょうゆのメイラード反応を抑制できるかといった課題を討議されていたそうで、そんな姿を想像するとちょっと不思議な感じですがいづれにしてもこういった部会でよりよいおでんを作るための熱い議論がかわされて、おいしいおでんができあがっているのでしょうね。

こういった商品開発の命運を握っているのが鈴木会長のようで、一定の品質を満たしていない商品があった場合たとえ売れ筋商品だったとしても、彼のOKが出るまで販売再開にならないという徹底ぶりのようです。

根底にあるのが
基本的にぼくがいつもいうのは、作り手の都合で商品を作るなということ。(P.216より)
ということで、わかりやすい例でいうと、フライパンであおらずに、大量生産のために炊いていたチャーハンとか白飯のように炊いていた赤飯、そしてだめだしされること11回という冷やし中華など...とにかくその味へのこだわりぶりは徹底しているように思います。

個人的な考えですが、前にいた会社は外資系だったから結構実感があるのですが、日本のユーザは他の国の人達とくらべると、サービスに対しての要求事項がかなり高く、他の国なら満点ということをしても、日本では当たり前か、下手するとちょっと評価がわるくなるということを実際に体験してきたので、こういったお客様を相手に、作り手の都合ではなくお客様に対しての要求に真摯に取り組むのであればやっぱりこういう結果になるでしょうね。
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by h5y1m141 | 2007-06-02 19:35 | 読書メモ

世界中で人手が足りない!

最近あんまりキャリアネタを書いていなかったので、世界中で人手が足りない!という記事で
世界経済が年間5%の成長を続ける中、低賃金国への業務委託などの労働コスト抑制策が予想外の速さで効果を失いつつあるのだ。中国やインドの低賃金の労働者は無尽蔵かと思いきや、スキルを持った人材の需要が供給を上回り、人材プールは枯渇しつつある。
と書かれていました。

冷静に考えれば、いくら中国やインドに人口が多いからといって、"スキルのある"人材が無限にいるわけではないわけだろうから、いまの段階でこういうことに気がついたのは、良いことなのかと思いますし、何か手を打つようなことを考える時期に来ているようにも思います。

具体的には本当に、"スキルのある"人材だけを求め続けるのが果たして良いことなのかと各企業で考えて、無理やりに高成長を目指すのではなく、場合によっては、全く違った所に価値を見いだすという方向転換を思い切ってやってみたりする企業も出てきてもよいように思います。

関連エントリ:
IT 業界もジダネスとパボネスになりつつある予感・・
社員をサーフィンに行かせよう

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by h5y1m141 | 2007-04-25 23:07

コールセンターは職人の「大部屋」24時間以内の部品発送率が9割に

コールセンターは職人の「大部屋」24時間以内の部品発送率が9割にという記事で、なるほどなぁと思った。

テクニカルセンターの拠点がいくつか存在していて、かつ、その拠点毎にエンジニアの方がいるそうですが、顧客との会話から不具合の場所と原因を特定し解決策を提示できるエンジニアは当然人数が限られている一方で、場合によっては電話では解決できないことがあるため、直接訪問しないといけなくなるそうです。

仮にセンターが3拠点あったとして、電話だけである程度解決策が提示できるシニアエンジニアとそうでないエンジニアがいるとなると、このような図式になると思います

Aセンター:○○●○○●○○○○●○
Bセンター:○●○
Cセンター:○○●○●○○

※●がシニアエンジニア

この状況だと、●のエンジニアが顧客のところに行かなければならなくなるとセンターに残った○で対応しないといけないけど、そうなった時になかなか解決できないっていうことになったりセンターによっては、リソース不足で、さらに対応時間がかかるという状況になってしまうため、●の方をある程度集約することで、問題解消していったそうです。

従来的な考えだったら、エンジニアのスキルの高さは

コールセンター < 一次受け < 二次受け

という感じで、右に行けば行くほど高くなる図式だとすると、上記の記事のは

コールセンター > 一次受け > 二次受け

という感じで、左側にスキルのある人材を集中させて対応をしてしまおうという感じの印象を受けました。
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by h5y1m141 | 2007-03-21 07:54

消費者はすでにweb2.0 にいる事を知るのがまずは大切

a0033832_23125641.jpgクチコミの技術のマーケティングってうまいなぁと感じました。

どういうことかっていうと、これから発売予定のクチコミの技術 広告に頼らない共感型マーケティングの一部をPDF化していて、オンラインで実際に閲覧できます。

で、こういう取り組みは、もしかしたら探せばありそうな気がするけど、閲覧できる箇所がネタ的に秀逸で、消費者はすでにweb2.0 にいるという事例として、涼宮ハルヒの憂鬱について取り上げていました。

涼宮ハルヒの憂鬱は、実際みたことないけど、一時期amazonでDVDの売上がすごいことになっていたり、はてブでも関連するエントリは多数ブックマークされていた記憶があったので、ずっと気になっていたのですが、このPDF読んで、やっとその辺りの謎が解けました。

うーん、涼宮ハルヒの憂鬱の制作した人たちの、複線の張り方というか手が込んでいるやり方ってすごいなぁー

えっと何が言いたいのか見失いそうになったけど、涼宮ハルヒの憂鬱のことについて言いたかったわけではなく、この本のマーケティング方法で、こういう感じでブログにとりあげられることで、一定数の人に伝わることだし、しかもPDF部分だけ読むとわかるのですが、この続きを読みたいと感じさせる内容でもあるので、そのあたりの戦略が素敵だなぁ

最後になりましたが、個人的に一番印象に残った部分引用しておきます。
消費者は、web2.0的なものに対応し始めています。しかも、その流れは止まりそうにありません。ぼやぼやしていると、企業の側がおいていかれてしまいます。
〜中略〜
企業はこれから、好むと好まざるとにかかわらず、web2.0的な世界に対応していく必要があります。ネットを積極的に活用することをためらう企業は多いようですが、このまま従来のマーケティング手法を踏襲するだけでは古臭く感じられてしまうかもしれません。

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by h5y1m141 | 2007-03-19 23:11