「食」を通じて、生きる力について深く内省する

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食べる、すなわち生きるために、当然働かなければいけないけど、その食べるという行為が、どこか他人任せすぎな傾向にあることについて、冷蔵庫で食品を腐らす日本人の著者は問題提起しているように感じました。

この本を借りたのも、新聞のコラムで「食術」ってな感じの内容が書かれていて、その考え方が面白いとおもったので借りたけど、この本に書かれているように、買ってきたものを無駄に冷蔵庫で腐らせてしまうのは、食というものについて、きちんと考えるべき状態になっているのかなと思います。

この新書に書かれていた印象深い話を1つ紹介します。

ホームレスの方の中でも以前だったら、少ない収入をベースにして、なんとか手に入れた食糧を調理して生きている人が多かったそうだけど、最近は日々どうにかして稼いだなけなしの500円足らずのお金をコンビニのお弁当を購入して生き延びている方が増えているそうです

個人の自由といってしまえば、それまでかもしれないけど、人間にとって食べるという行為は、一生つきあわなければいけないものだし、食べ物自体の生産はどうしても生産者に委ねるとしても、それ以降の部分についてすべてを他人任せにするというのは、個人的にもあまり好きではないかなぁって考えてます。

25歳頃に初の1人旅でマウイ島に知人の知人をたずねて2ヶ月ほど滞在したことがあったんだけど、身の回りのことはもちろん、自分でどうにかしなければいけない状況の中、スーパーで適当に出来合いのものを買ってきてそれを食べるということが何故か良くないと思ったのと、たまたまお世話になったその家に日本食のレシピ本があったので、それを見ながら日々ご飯作ったけど、意外とこれがうまく出来てしまいました。

人間不思議なもので、ちょっと成功するとそれに味を占めて、そのレシピ本を見ながらあれこれチャレンジしていくうちに、ご飯を作る楽しさを感じることができた一方で、その時にはじめて、生きるためにお金を稼ぐことの大切さというのをものすごく実感すると共に、はじめて、完全に自分の責任でお金をやりくりするということを経験し、今振り返ると、この体験は自分にとってのその後に大きな影響を与えたように思います。

それまでは実家にいて、自分で稼いだお金ですべてまかなっていたわけでもないし、食べるということについても別にそれほど何かを意識したこともなかったけど、マウイでなけなしのお金で購入した食材で、長期間いるとなると、毎日ステーキっていうわけにもいかないので、飽きないようにあれこれ創意工夫して無駄にしないようにした経験っていうのは「生きる力」というのはとってもおおげさだけどそれに近い感覚は得られたかなぁと思っています。

高級食材を買ってきて食べるとか、高級なお店でご飯を食べるということが必ずしも豊かな食かっていうと決してそうとも限らないかなぁと思ってます。

それよりも近所で取れた食材で鮮度が良い状態で焼いたり蒸したりして、味付けもシンプルにしたものを食すというのは、それはそれで美味しいしこういうのが出来るっていうのは実はとっても贅沢なような気がしてますが、なんとなくそういうことをこの本を読みながら思い出しました。

うーんなんだかうまく話がまとめきれないけど、ただ少なくとも言えるのは、新書で比較的すぐに読み終える本だけど、色々深く考えさせられた本でした。

冷蔵庫で食品を腐らす日本人 [朝日新書059] (朝日新書 59)
魚柄 仁之助
朝日新聞社
売り上げランキング: 7734
おすすめ度の平均: 4.0
4 スケールダウンすること
4 食卓の豊かさとは何だったか、考えさせられました。
4 「成熟国日本」
4 食育と自立
4 一読の価値はある

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by h5y1m141 | 2008-09-02 21:25 | 読書メモ
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