アラブの大富豪

07-02-11_12-54.jpgいろいろな所でオイルマネーの存在感の大きさについて取り上げられることが多いかと思いますが、中東諸国は日本から地理的に遠いことも影響してか、そのオイルマネーの実態というのがなかなかわかりづらくって、入門書的なものとして何か読みたいなぁーと思って、アラブの大富豪 読みました。

サウジアラビア、クウェートなどの産油国が石油資源で得た資金が膨大にあるが、その投資先が9.11以降のアメリカ国内の反アラブ、反イスラムという影響で、アメリカ以外にシフトせざるを得なくなったというのがどうも背景としてあるそうです。

とはいえ、サウジなどは特に目立った産業があるわけでもなく、投資先として存在感を示しているのが、最近日本でも観光地として名前があがってくるドバイということのようです。

ドバイはかっては真珠採取と裏家業として海賊業が主だった産業だったそうですが、それらも1980年代に突入してから衰退に向かったそうで、そんな状況を第8代首長ラシードが港湾への投資を行い、その後も空港整備などで、積極的にインフラへの投資を行い中東地域の”ハブ”拠点としての存在感を大きくして、現在はアクセスしやすいインフラをベースとして、「リゾート開発」と「金融」という部分に注力をしているそうで、その資金源は、前述のサウジなどの産油国が得た資金という図式になっているそうで、こういう相関関係がしれただけでも、収穫あったかなぁという感じです。

上記以外にも、
「なんでサウジってあんなに王子がたくさんいるんだろう」
「アラビアのバフェットといわれるアルワリード王子ってどんな人」
「大国に囲まれながら独自の外交戦略でしたたかに生き延びている小国ヨルダンの知恵」

などのまめ知識も得られて、これぞ新書というような感じの構成になっています。

著者の方は中東地域で長年お仕事されていたそうで、アラビア半島定点観測 - 半島各国の社会経済及び支配王家に関する動向分析というブログ等を書かれていたのがきっかけで、本書出版にいたったみたいですが、
著者がブログを始めた動機は2つある。1つは日本に馴染みのない中東について著者の知識と経験が少しでも役に立てば、という願いである。そして2つめの動機は、団塊の世代がリタイアすればその波に呑まれてしまう、だからそれまでに自分の立ち位置を確かめておきたい、ということである。そのブログが、この著書へとつながったことを素直に喜びたいと思う。
アラブの大富豪 P.190より
ということで、たしかに今までの経験をこういう形で活かすというのは、今後定年退職をされる人のその後の人生というのを見つめ直すヒントとしても読めるように感じました。

アラブの大富豪 (新潮新書 251)
前田 高行
新潮社
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おすすめ度の平均: 4.5
5 アラブの脅威がひしひし
4 勉強になりました
4 アラブで反乱も革命も起きない理由

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by h5y1m141 | 2008-04-05 21:10 | 読書メモ
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