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脱・道路の時代

現在、道路特定財源見直し問題 というYahooニュースで関連情報がまとまっているように道路特定財源について議論がされているみたいですが、その議論の前段階として、
人びとは、なぜ「道路は必要だ」と考えるのか。「必要」とは、裏を返せば、何かに困っている、あるいは、不便・不安を解消したいからである。
〜中略〜
しかし、ここで冷静に考えなければならないのは、これらの不便・不安が本当に現在の道路政策の延長で解決できる問題なのか、他にもっと優れた方法はないのだろうか、という点である。

脱・道路の時代P.12〜P.13より
と、各地域で抱えている問題に対しての解決策が、「道路整備」でそもそもよいのかという所が出発点ではないのかなぁと脱・道路の時代を読んで気づかされました。

道路に限らず、鉄道や、(別エントリで書く予定ですが、日本の空を問うという本で提言されている)飛行機などを含めた、全体の交通インフラとして、そもそもどうあるべきかという全体像が見えないまま、個別に話をしていても効率的なインフラ整備は難しいのかなぁと個人的には感じましたし、著者の方は、道路特定財源については、公共交通なども含めた形で「交通会計」として一元化という形で、本書のP.84で提言しています。(*)

また、道路だけを取り出して考えたとしても、結局それを利用するのは人間なので、人間が生活する地域、仕事をする地域というのを踏まえて全体設計した上で、必要な所の道路整備をするのが、適切なやり方なのかなぁと思います。

ヨーロッパの多くの国では、住宅街が無秩序に郊外に広がらないような規制を設けつつ、民家が少ない地域に幹線道路を整備して、都心部への不要な車の流入を防ぐということをしており、都市計画に関する所も、道路整備をする上で欠かせない点のように感じました。

東京周辺のように、正直これ以上は道路造っても、それほど高い効果が望めるかどうか疑わしいと思える一方で、それ以外の地域では、本当に必要とする所も実際あると思うのですが、その場合も”造るありき”ではなく、”用途(使う)ありき”のほうが、本来あるべき姿のような気がしてならいのですけどね。

(*)「交通会計」として一元化以外の選択肢についても下のように書かれていましたが、少なくとも暫定税率廃止というのは、それに伴う弊害が大きいように思えますね

・暫定税率解消
燃料価格低下で自動車利用が促進されて、渋滞や環境負荷増大と負の側面が大きい

・自治体へ税源委譲
自治体の道路政策が現状のままでは合理性、透明性を欠いた道路建設促進の懸念

・暫定税率を環境税化
燃料価格自体は変わらず、自動車の使用に影響は及ぼさない。(ただし環境税を大気汚染対策などに利用すれば効果がある)

脱・道路の時代
脱・道路の時代
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4 「造る」から「使う」へ、そして「ムダ」な道路とは

by h5y1m141 | 2008-01-20 20:28 | 読書メモ
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