地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

単なる知識だけを豊富に持っていたとしても、そもそも答えが存在するかどうかわからないというような出来事に今の時代には出くわすことがあるかと思います。

例えば、地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」でも出てきた質問で、

・日本全国に電柱は何本あるか?
※制限時間3分、電卓/PCなどは使用不可、一切の情報の参照不可

というもので、実際自分も本書を読みながら

- 核家族化などで、一世帯辺り人数が少なくなっているので、その点を考慮して3名は住んでいる
- 日本全国民は1億2千万人として、だいたい4000世帯が日本に存在する
- 発電所1つにつき、何世帯の電源を供給できるかを推定

という感じので考えていたら、3分になってしまって、時間内に答えは出せませんでした。(*)

こういった雲を掴むような問題について、何らかの推定のロジックを自分で考えて、短時間でザックリとでいいから答えを出すことをフェルミ推定というそうで、ノーベル物理学者のエンリコ・フェルミさんが、物理量の推定に関して学生にこのような課題を与えていたことからこのような名前が名付けられたそうです。

※ちなみに、フェルミ推定で一番有名なのは、「シカゴにピアノ調律師は何人いるか?」だと思うので、もしかしたらこの質問を知っている人はいるかもしれませんね。

本書での主要なポイントは、このフェルミ推定をタイトルである地頭力と定義しており、この地頭力が大切であるということを説いているのですが、その根拠として、単なる情報としての知識を保有していても、検索エンジンで調べれば得られやすくなっている時代においてはそれほど価値が高くなく、そういう情報を活用して
「自らの考える力」で常に環境に適応しながら次々と新しい知識を生み出していくことができる。

地頭力を鍛える P.35より
という点だと感じました。

もうちょっと短く言うと、単なる情報(Information)それ自体には価値が少なくなり、複数の情報を元にして、違った側面を見いだす能力(Intelligence)が大切で、このIntelligenceの考えは前に読んだ、軍事系の本(江畑さんのやつ)や、元外務省の佐藤優さんあたりが指摘している考えだったり、地頭力に近いことは、本書の著者以外にも、例えば、Life is beatifulさんのネットの時代には「知識量・記憶力」よりは「適応力・応用力」の方がずっと大切というエントリなどでも指摘されているので、不偏的なことの1つかなぁと思っています。

著書の方は、結論から考える仮説思考、全体から考えるフレームワーク思考、単純に考える抽象化思考の3つが地頭力の本質であると述べており、地頭力自体は、訓練によって鍛えることができるそうなので、仕事の能率がイマイチ悪いと感じていたり、プレゼンが上手くいかないと感じている人には、何かのヒントが得られるかもしれないですね。

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」
細谷 功
東洋経済新報社 (2007/12/07)
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おすすめ度の平均: 4.0
4 地頭力とは?
5 地頭力
3 What?を知る人から、Why?を楽しむ人になるために


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(*)本書でのアプローチは「日本の国土面積当たりの電柱本数を、市街地と郊外に分けて算出する」として、これを細分化して
日本の国土面積を算出
市街地と郊外との電柱の配置率を想定
市街地と郊外の比率を想定
それぞれの1平方km当たりの本数を算出
というようにしていました。ちなみに答えは本書のP.55に記載があり、電力会社とNTTから数字がでており、約3300万本とのこと。
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by h5y1m141 | 2008-01-09 23:04 | 読書メモ
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