ダブルキャリア

ちょっと前に読んだ、シャドーワーク―知識創造を促す組織戦略のような、内職的に取り組む仕事というか、自分自身の研究テーマみたいな活動というのはこれから働く上で結構大切かなぁと思っていて、これとちょっと関連がありそうな本をこの前みつけたので、ダブルキャリア―新しい生き方の提案 というのを読みました。

本業とは別の、副業をもう1つのキャリアと捉え、「ダブルキャリア」として追求するという趣旨の事が書かれているのですが、日本の会社には副業規定があったりして、副業を実践するのは難しいという実情はあるかもしれませんが、この本での副業の定義は、小遣い稼ぎとしての副業ではなく

1.転職、起業を考える人が新しい仕事を試す手段として別のキャリアを追求する
2.現在の仕事にもよい影響を与えることができる相乗効果が期待できるキャリアを追求できる
3.今の仕事で磨いた能力を別の世界で活かすキャリアを追求する

という区分でダブルキャリアを捉えています。

1.の例として外資系メーカーの法務部に勤務する傍ら、元々ウィンドサーフィンが好きで英語力もある能力を活かして、ウィンドサーフィンに関連する情報やDVD販売などをWeb上で手がけているそうです。海中心の生活を送りたい気持ちを抱えつつ、一方で今の生活水準も維持したいという気持ちの間で揺れ動いているそうで、個人的にはこの人の気持ちにはかなり共感できる所がありました。(それ以外にもOLしながらポルトガル語の能力を活かして刑事通訳の仕事をする人の例とかも出ていて、この人のキャリアも面白いですよ)

2.の例はアパレル会社でプレスの仕事をしてる人が週末は趣味のDJであちこちのイベントに駆り出され、音楽業界からはイベントで使う服を借りたいとかクラブでファッションショーが出来ないかと相談されて、本業の方ではファッションショーで使う音楽を腕のいいDJに頼みたいという相談が来るそうで、これなんか理想的な相乗効果のキャリア追求ですね。
それ以外にも区議会議員にしてサラリーマン(しかもこの人、うちのグループ会社の人だった)

3.の例としてIBMビジネスコンサルティングで、本業では、大手企業を相手に複数のコンサルタントが連携しないと取り組めないようなフィールドで活躍しつつも、1人でもできるような領域でのコンサルティング業務を別にやっている方の例(ちなみにこの人は本業のIBMでのコンサルティングは事業主契約になっているそうです)

これらダブルキャリアの考えが何故、今でてきたのかという考察もされており、
副業禁止は肉体労働、ものづくり社会の発想です。人材を逃げないように囲い込もうという時代遅れの考えです。今はソフトや情報の時代です。ものづくりはゼロサムの世界で、他の仕事でエネルギーをとられたら損ですが、情報やソフトの世界はプラスサムの世界。成果を上げることがまた次の成果につながっていくんです。(P.164より)
と外向きサラリーマンのすすめの著者でもある太田さんが語られていますが、今の時代の仕事の性質を考えると、ダブルキャリアの考えは時代に合ってきているようにも思えるのと、人間の寿命が長くなって働く期間が長くなった一方で、会社の存続期間が必ずしも一生続くものでもなくなり、一生会社に面倒を見てもらえる時代ではなくなったというような点もあるようですが、それ以上に
仕事と遊びの区別が非常に曖昧になったことだ。労働が苦役でなくなったのだ。(P.84より)
という部分には、共感できるし、
終身雇用が幻想となった今、キャリアの複線化の準備をすることは非常に重要なことです。
〜中略〜
自分を最大限高めようと努力してみることです。どんな仕事についていても「人間力」を高めた人材は会社のほうから求めてきます。(P.140より)
ということも書かれていましたが、リスクヘッジのためにもダブルキャリアを追求しておいたほうが良いのかなぁと思い、それが結果的には
ダブルキャリアの目的は、「職業人生における自己実現のため」と言いかえることもできる。
〜中略〜
自己実現という言葉がしっくりこないのであれば、「いい顔をして生きること」と言い替えてもいい。(P.190)
になるのでしょうね。

このブログの紹介文で、ITと人材という2つの軸を書いているように、今まではITという軸が1つだけだったけど、今は人材というのが軸として確立しつつあるので、将来的には別にどっちが主で副でという区分けをする事なく働ければと思っていたりするので、刺激を受けた本でした。

おまけ:
リクルートエージェント出身の方が副業を斡旋する文字通り「ダブルキャリア」という会社を興しているそうで、ダブルキャリアを考えている人は一度チェックしてみては?
ダブルキャリア―新しい生き方の提案 (生活人新書 227)
荻野 進介 大宮 冬洋
日本放送出版協会 (2007/07)
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おすすめ度の平均: 4.5
4 特別な人ができること
5 そういや、生き方って自分が決めるものだった。
5 ダブルキャリアで築くオンリーワンブランド

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by h5y1m141 | 2007-11-18 19:47
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