日本がアメリカと世界を救う!

日本がアメリカと世界を救う!を先日読み終えて、なかなかまとめる時間が取れなかったのですが、今日は土曜日に仕事だった代休が取れたのでやっとまとめる事が出来ました。

著者の視点から見た、アメリカの大局的な戦略というか国益というものが何なのかを伺いしれたような気がします。

具体的には本書でも何度か言及されているのですが、アメリカが進めている 民主化、自由化の根底として、ドル市場の拡大があり、その拡大を押し進めるために

「資本の意志」
「力の意志」

という2つのキーワードを使って著者の方はアメリカの方法論について説明されています。

資本の意志というのは、お金のことを指し、力の意志は、軍事力や政治力を指されているようで、アメリカの大統領が交代になるごとに、この資本の意志が前面的に打ち出されるのかそれとも、力の意志が前面的に打ち出されるのかという違いはあっても、基本的な部分は民主化、自由化の根底にある、ドル市場の拡大を実現させるための手段に過ぎないようです。

■中国とアメリカの関係
このドル市場の拡大という視点で、中国とアメリカとの関係について触れており、中国の現在の経済発展をアメリカとしては許容しており、バブル気味な所があるようですが、仮にそれが崩壊した場合に、中国には内部に抱えている問題(例えば役人の汚職や、富裕層と貧困層との間での経済格差)が地方では以前から少しづつ発生していた暴動が、景気を牽引していた沿岸部でも倒産や銀行破綻による失業者の増加で暴動が飛び火する可能性があるため、中国としてはそういう不満を外部に向けるようにする必要があるそうです。

その敵国として、日本ではなく台湾を「1つの中国」の名の下に攻撃するのではということが書かれており、そのための法案(反国家分裂法)もすでに可決されているようです。

これを想定しているかどうかはわかりませんが、中国が台湾に武力行使した場合にアメリカが軍事加入するための法案(台湾関係法)もあるそうで、万一アメリカvs中国という図式の戦争になった場合、本気で勝てるとは中国の人民解放軍のトップは思っていないそうですが、一部には強硬派もいるようで、人民解放軍の中でクーデターが起こり、軍自体が崩壊し、イラクなどと同様の内戦状態になるが、最終的にはアメリカを中心とした多国籍軍が登場して治安維持&民主化を図り、国民主導ではあるが、最終的にはアメリカの傀儡政権を誕生させるというのが著者の読みだそうです。

この状態になれば、アメリカの国益であるドル市場の拡大も叶うということですが、もしもこのシナリオが本当ならばちょっと怖いですが、こういうシナリオを描くのが、5大シンクタンクのようで、
先に述べた保守系シンクタンク、ランド研究所の報告書「アメリカとアジア」の結論「中国が完全にアメリカの市場になる」とは、こういうことなのである。(P.118より)
とあり、これは前に読んだ第五の権力 アメリカのシンクタンクで、似たようなことが書かれていたのでこの辺りについては結構信憑性があるかなぁと思います。

■イラク戦争の目的

アメリカのイラク戦争の目的が石油利権ということが書かれる事が多いと思いますが、著者の方はちょっと違った視点を持っており、イラクが石油の決済通過をドルからユーロに変更したといことについて言及されています。

元々はイラクはドルで決済していたのですが、フランスがイラクに対してユーロ決済を持ちかけたという本当かどうかはわからないですが、フセイン大統領がユーロに切り替えたそうで、OPEC加盟国がイラクにならって石油の決済通貨を仮にドルからユーロに切り替えると、
当時の原油価格で計算してアメリカは1日につきおよそ3億ドルの赤字国債が発行できなくなったはずだといわれる。(P.139より)
となり、自国通貨の価値が減少するという自体は避けたいため、別のお題目(大量破壊兵器)でイラクに侵入したということのようです。

大局的に考えれば、本書のシナリオ通りに進むことも、現実的にありそうで、ちょっと怖いと思ったのですが、日本とアメリカの関係を語る上で個人的には年次改革要望書についての意見が本書で触れて欲しかったなぁ..

[PR]
by h5y1m141 | 2007-11-12 14:57 | 読書メモ
<< 第26回ねりま光が丘ロードレース すごい会議 >>