グーグル革命の衝撃

a0033832_20265943.jpgグーグル革命の衝撃は以前、NHKスペシャルで同じタイトルで放映された番組の書籍版という感じで、テレビ放映された時にその番組は見たのですが、いくつか、書籍だけの追加事項のようなものがありそうだったので、昨日、読み終えました。

基本的にはGoogle誕生 —ガレージで生まれたサーチ・モンスターなどのような他の本を読んで知っている内容が多かったですが、この本で初めて知ったのが、マット・カッツというWebスパムチームのリーダーで、彼は、Googleで、スパムを排除する検索エンジンのアルゴリズムの開発を行う反面、自身のブログ上で、具体的なスパムの内容、アルゴリズムの変更趣旨について書かれているそうです。

ご存知の方もいると思いますが、Googleでは、具体的に検索結果についてどのように判別しているのかという公式な見解は出しておらず、Googleでの検索結果でいかにして上位に表示できるようなWebサイトを作るのか試行錯誤する個人、企業などがいたり、そういった人や企業を専門にコンサルティングする会社などもあるくらいだから、そういう人にとって、どういうページが、スパムであると見なされるのかというのを知るためにもマット・カッツという人の存在は重要だし、実際、欧米では、彼に会って、少しでもGoogleのランキングの動向を探ろうとして、彼の参加する会議などに、多数の人が集まるそうです。

検索以外にも、GmailやGoogleMapsなどのアプリケーションの登場により

「便利になったなぁー」

と感じることが多く、ますますGoogleに依存するようになっているが、あまりにも依存しすぎることによることの怖さについてもこの本では取り上げています。

Googleなどをつかって調べた結果、一発で自分が欲しいものが見つかるし、Googleに限らず、最近のWebサービスは、みんなの知っていることを集約した”集合知”によっても、自分が欲しいと思っていたものが見つかりやすくなっているため、興味があることについては、以前と比較にならないくらい簡単に出会いやすくなっているけど、その分、興味を持てない事柄との”偶然の出会い”のようなものがなくなりつつあるように思っています。

誤解を与えそうなので、補足をしておくと、Googleがダメとか、他のWebサービスがダメと言いたいわけではなく、そういったものの便利さは教授するが、それが全てではないわけだし、そういうのを全てであると感じてしまいそうな人がもしかしたらいるのではとふと思ってしまって、そういうのがちょっと怖いかなぁと思っています。

本書の中で、東京大学の小宮山教授の話で以下のように警鐘を鳴らしています。
学術情報を入手するためには、多くの論文に目を通したり、人に話を聞いたり、カードを作って整理したりと、大変な手間が必要だった。もちろん現在の方が便利に決まっている。しかし、その便利さにこそ落とし穴がある。情報収集にかけた膨大な手間と移管は無駄なように見えて、決して無駄ではなかった。その作業を通じて、頭の中で多様な情報が関連付けられて、構造化され、それが「閃き」を生み出す基盤となっていたからだ。(P.235より)


たしかに、検索して得られる情報には、一定の価値があると思うけど、上記のように、構造化された”知”というものを”全ての人が”得られるかどうかは、それはまた別の問題かなぁと思っているし、興味をもてない分野との偶然の出会いから得た”知”が思いがけない閃きのヒントになることもあると思うので、こういう仕組みづくりができるようにインターネットが発展していくと、また違った世界が生まれるのかもしれないですね。
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by h5y1m141 | 2007-08-26 20:31 | 読書メモ
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