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社員をサーフィンに行かせよう

社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論
イヴォン・シュイナード 森 摂
東洋経済新報社 (2007/03)
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クライミング用品をつくるシュイナード・イクイップメント社を創設した頃から環境に対して真摯に取り組んでおり
1970年にはシュイナード・イクイップメント社はアメリカ国内最大のクライミング会社になっていた。
そしてまた、環境の敵としての道も歩み始めていた。
~中略~
もろいクラックでは、打ち込み時、回収時ともに繰り返しハンマーで硬鋼製ピトンを叩いてきたせいで、岩の形がひどく損なわれつつあった。エル・キャピタンのノーズルートを登ったとき、その2、3年前の夏には無垢だった岩が激しく変容しているのを見て、私はげんなりして帰宅した。( P.44より)
ということで、自分達がつくったモノが環境に対しての影響があることを知って、代替え品となるものの制作に関わったり、ある時には明らかに会社としての損失が大きいにも関わらず、環境に対しての影響の大きさを考慮して、その損失を合えて受けるような姿勢を見せたりしています。

ただ、今のパタゴニアに至るまでには当然大きな失敗もあり、中でも最大のものは、1991年7月31日に120名の解雇(当時の従業員の20%相当)を行ったが、結果的にこれがきっかけとなり、なぜビジネスに携わるのか、パタゴニアをどんな会社にしたいのかということをつきつめて考えるようになったそうで、ここで会社の理念が確立するようになったそうです。

パタゴニアという会社の姿勢を示しているのが以下の下りではないでしょうか。
創業以来、ずっと企業の責任とは何かという課題と格闘してきた。ビジネスとは実のところ誰に対して責任があるのかということに悩み、それが株主でも、顧客でも、あるいは社員でもないという結論にようやく達した。ビジネスは(地球)資源に対して責任がある。自然保護論者のデイヴィッド・ブラウアーは「死んだ地球からはビジネスは生まれない」と言った。健康な地球がなければ、株主も顧客も、社員も存在しない( p.332より)


うーん、なかなかここまで言い切れる会社というのは、稀だと思うのですが、環境問題についての意識もたかまりつつあるので、こういうスタンスを取る企業がこれからでてくるのでしょうかね。
by h5y1m141 | 2007-04-24 21:30
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