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ニッケル・アンド・ダイムド

この間、土曜日に仕事だったんだけど、仕事帰りに寄った本屋でニッケル・アンド・ダイムドという本をたまたま手にして週末から読み始めて、やっと今日読み終わったけど、正直切なくなってきた。

題名からは何の本かさっぱり検討つかないと思うけど、アメリカのコラムニストの方がふとした思いつきで、

誰かが古い方のジャーナリズムを実践すべきよ。ね?現場に飛び込んで、身をもって体験してみるの


と知り合いの雑誌編集者に語ったことから実際に自分でその生活をフロリダ、メイン、ミネソタの各州で体験したことをまとめた内容。

アメリカの労働事情とか、低所得者のことについては、自分は全くの無知だったけど、まさか、日々の生活をしていくのがやっとという方たちが、実際にいるというのはこの本を読むまで全く気がつかなかったし、その生活も、日々の収入と支出のつじつまがかろうじて合うくらいの生活で、読んでいて本当に切なくなってきた。

著者の方は、本人曰く、「中流」の階層にいるそうだし、今回の体験レポートは一時的な生活だけど、実際にはこの体験レポートと同じような生活か場合によってはそれ以下の生活レベルで日々を過ごす方もいるみたい。

人種差別するわけではないけど、民族的にマイノリティーの方がありつける職業はこの本で取り上がられている賃金と同等かそれ以下の収入しか得られないそうだからそういうのを想像すると、日々をどうやって生き延びて行くのかで精一杯だと思う。

しかも金銭的に恵まれていないという事実以上に、ちょっとショッキングだったのが、たいていこういう低賃金の方が働く職場というのが、異様なまでに管理職の人間から必要以上な監視下におかれていて、仕事中のおしゃべりをしようものなら、最悪解雇される可能性にあったり、面接時に薬物中毒かどうかを検査するために、尿検査を強制されたりして、人間として扱われているかどうかちょっと微妙な感じのことをされているらしい。

ちょっと前にNHKでワーキングプアーについて取り上げられていたけど、潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影を前に読んだけど、実際日本でもアメリカと同じことが起きていて、自分達の生活が非常に便利になっている反面、そのしわよせというのが、どこかに来ているんだっていうのはもうちょっと認知されてもよいのかなぁって改めて思った。
by h5y1m141 | 2006-08-08 22:17
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