金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレかという本読み終わったばっかりのところで、今朝の日経の広告でハイ・アメリカンという米ドル建定額額個人年金保険が出ていたので、これについて自分なりにちょっと考えた。
新聞広告の文字を全部書くのはちょっと大変だから、まずは広告の中のキャッチーな数字を取り上げると、 ・積み立て利率(2006年3月1日から3月15日契約の場合に適用される利率) 2年据え置き 年3.54% 3年据え置き 年3.60% : 10年据え置き 年4.09% この数字だけ見ると、銀行の普通預金の利率とかと比べてしまうと、 「おーこれはすごい!」 ってなりそう。でも・・・冷静に考えるとこれって銀行にかなり手数料で持っていかれそう。 っていうのも、米ドル建 の商品なので、為替手数料がかかる。本商品のご検討にあたってという小さい文字の中に円貨で年金等をお受けの際にはTTBを基準とする相場を適用するため、為替手数料がかかりますとあるし。ちなみに手数料がいくらかは書いていないけど、たぶん往復で1ドルあたり2円くらいはかかるんじゃないかな。これは結構銀行側としてはおいしい。 そして、引き受け保険会社破綻した場合には、元本保証なし。これはあたりまえで預金じゃないから預金保護機構対象外だから、これは避けて通れない。 また、米ドル建だから、為替リスクも当然ある。 一方で、銀行としてはアメリカの10年ものの国債を買えば、野村證券のこのページで、残存期間約10年くらいのもので4.500%あるから、すごく単純に考えれば、こいつを銀行は買っても個人に4.09%分利率で払ってもお釣りがくるし、それ以外の為替手数料でもかなりの収益が見込めるって理屈なのかな。 そう考えるとハイ・アメリカンの一番高い利率にひっかかってこの商品を購入するのはちょっとあまり賢い感じしないなぁ。しかも10年間も同じ利率というのは、これから先、10年間物価上昇しないという前提ならまだしも、実際にはそんなことはないような感じがするから、インフレリスクも抱えるわけだから、そういう意味でもやっぱり賢くないのかも。
by h5y1m141
| 2006-03-01 23:14
| おかねのこと
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